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オルカンの中身は年4回入れ替わる|MSCIの定期見直しで8月は55銘柄採用・92銘柄除外

指数のしくみ公開:2026年10月29日最終更新:2026年10月29日文:凛

本記事は2026年10月29日時点でMSCIが公開している資料をもとにした情報提供であり、特定の金融商品・銘柄の勧誘・推奨ではありません。投資信託は元本が保証されず、株価や為替の変動で損失が出ることがあります。見直しの日程は変更されることがあるため、最新の情報は指数会社と運用会社の公表資料をご確認ください。

緑の丘の尾根に風力発電の風車がたくさん並ぶ写真

結論から言うと、全世界株式に連動する投資信託の中身は、持っているだけで年4回入れ替わります。指数会社のMSCIは、MSCI ACWIなどの株価指数の構成銘柄を2月・5月・8月・11月の年4回見直しています。2026年8月12日に発表された見直しでは、MSCI ACWIに55銘柄が加わり、92銘柄が外れました。反映は8月31日の終値です。オルカン(全世界株式)のような指数連動の投資信託は、運用会社がこの変更に合わせて売買するので、保有者は何もしなくても中身が新しい指数に揃います。仕組みと日付の読み方を、MSCIの発表文から中立的に整理します。

MSCIの指数は、いつ見直されるのですか?

定期見直しは年4回で、2月・5月・8月・11月です。見直しのたびに、発表日と反映日の2つの日付があります。発表日に「どの銘柄が入り、どの銘柄が外れるか」が公表され、反映日の終値で指数の中身が実際に切り替わります。

MSCIの2026年8月の定期見直し(MSCI「MSCI Equity Indexes August 2026 Index Review」2026年8月12日発表より)
指数加わる銘柄外れる銘柄
MSCI ACWI(大型・中型)5592
MSCI ACWI Small Cap203261
MSCI ACWI IMI(小型まで含む)184279
MSCI World All Cap13773
MSCI Frontier Markets65

発表から反映までは、2026年8月の例で19日ありました。この間に、指数に連動する世界中の投資信託やETFが、反映日に向けて買い入れと売却の準備をします。

8月の見直しでは、どんな銘柄が入ったのか

MSCIは、時価総額の大きい追加銘柄を3つずつ挙げています。先進国のMSCI Worldでは、米国のSanDisk、Carpenter Technology、ATIの3社。新興国のMSCI Emerging Marketsでは、中国のZ.AI、台湾のNanya Technology、中国のGuangdong Dtech Technologyの3社でした。

波打つように並ぶ太陽光パネルの列を上から写した写真
列そのものは同じでも、並んでいる1枚1枚は入れ替わっていく

外れた銘柄が加わった銘柄より37多いので、MSCI ACWIの銘柄数はこの見直しで減りました。銘柄の数は固定ではなく、指数の基準を満たす会社の数によって増えたり減ったりします。指数の名前が同じでも、中身の会社は少しずつ違っていく、ということです。

加わった会社の国にも目を向けておきます。先進国側の3社はいずれも米国、新興国側の3社は中国と台湾の会社でした。1回の見直しで国の比率が大きく変わるわけではありませんが、全世界株式の投資信託は、時価総額の大きい国と業種の会社ほど組み入れやすい作りです。半導体や素材の会社が上位に並んだ8月の追加は、その時点の市場で時価総額が伸びていた分野を映しています。どの国の会社が加わり、どの国の会社が外れたかを見ると、指数が何を映す物差しなのかが見えてきます。

オルカンの保有者は、何をすればよいのですか?

何もしなくて大丈夫です。指数に連動する投資信託は、指数と同じ中身になるように運用会社が売買します。保有者が自分で銘柄を入れ替える必要はなく、口数や評価額の計算も、運用会社が指数に合わせて行います。

知っておきたいのは、反映日の前後に、指数に連動する資金の売買が集中しやすいことです。加わる銘柄はまとめて買われ、外れる銘柄はまとめて売られます。個人の積立にとっては、売買の手間を指数会社と運用会社に任せている、というのが指数連動の中身です。

白い砂地の中を曲がる道路の先に風車が立つ写真
発表日から反映日まで、指数は決まった道筋で切り替わる

反映日は、基準価額のどの日に出るのか

2026年8月の見直しを日付で並べると、発表は8月12日(ロンドン発)、反映は8月31日の終値でした。多くの全世界株式の投資信託は、海外の株式を前の営業日の現地の終値で評価して基準価額を出します。そのため、反映日の売買の結果が日本の基準価額に表れるのは、翌営業日の9月1日の基準価額からになる、と考えておくとずれがありません。

2026年8月の定期見直しの日付(MSCIの発表文から作成・基準価額の欄は一般的な評価方法にもとづく筆者の整理)
段階日付起きること
発表8月12日加わる銘柄と外れる銘柄の公表
反映8月31日の終値指数の中身が切り替わる
基準価額9月1日ごろ入れ替え後の中身で評価された値が出る

投資信託の中で銘柄が売買されても、日本の投資信託の場合、それだけで保有者に税金がかかることはありません。税金がかかるのは、保有者が自分の口数を売ったときや、分配金を受け取ったときです。年4回の入れ替えは、保有者の手間も税金も増やさずに、中身だけを指数の基準に合わせ直す仕組みと言えます。

11月の見直しで変わること

8月の発表文には、もう1つ、11月に関わる記述がありました。MSCIは、バングラデシュに分類される銘柄について、この8月の見直しでも変更を反映しない扱いを続けたうえで、2026年11月の見直しから、MSCIバングラデシュ指数の見直しと企業の事象の反映を再開すると説明しています。

11月の見直しの結果と反映日は、MSCIが発表文とIndex Reviewのページで公表します。全世界株式の投資信託を持っている人は、11月の発表文で、MSCI ACWIへの追加と除外の数を見ておくと、自分の投資信託の中身がどう動くかの見当がつくはずです。

ESGの視点から、どう読めばよいのですか?

ESG指数も、指数ごとに見直しがあります。MSCIのIndex Reviewのページには、米国株、中国A株、フロンティア市場などと並んでESGの区分があり、ESG指数の見直し結果も公表されています。ESGファンドを選ぶときは、ファンドの名前ではなく、目論見書に書かれた連動先の指数名を確かめ、その指数の見直し結果を読むのが確実です。

草原に立つ大きな太陽光パネルの架台の写真
ESGファンドの中身も、連動する指数の見直しで入れ替わる

ESGの基準を満たさなくなった会社が外れることもあれば、評価が上がって加わる会社もあります。指数連動のESGファンドは、その判断を指数会社のルールに任せている商品です。ESGファンドの選び方の全体はESGファンドとは何かの記事で整理しています。

よくある質問(FAQ)

Q. MSCIの指数は、どのくらいの頻度で見直されますか?
定期見直しは年4回で、2月・5月・8月・11月に行われます。2026年8月の見直しは8月12日に発表され、8月31日の終値で反映されました。
Q. 2026年8月の見直しで、MSCI ACWIはどう変わりましたか?
MSCIの発表によると、MSCI ACWIには55銘柄が加わり、92銘柄が外れました。MSCI Worldで時価総額の大きい追加はSanDisk、Carpenter Technology、ATIの3社です。
Q. オルカンを持っている人は、何か手続きが要りますか?
要りません。指数に連動する投資信託は、運用会社が指数の変更に合わせて売買するため、保有者が自分で銘柄を入れ替える必要はありません。
Q. ESG指数も同じ時期に見直されますか?
MSCIは定期見直しの結果を、ESG指数を含む指数ごとにIndex Reviewのページで公表しています。持っているESGファンドの連動指数が何かを確かめ、その指数の見直し結果を見るのが確実です。
参考にした一次情報・公的資料

写真:Openverse(CC0・パブリックドメイン)

凛
凛
ESGファンドラボ リサーチ担当

サステナブル投資のリサーチを担当。ESG・環境・社会課題と投資の関わりを、中立的な視点でわかりやすくお届けします。数値は執筆時点の公式情報に基づき、投資判断は自己責任でお願いします。

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