COMPARISON / 破綻時の扱い
外貨預金は預金保険の対象外|円の預金との違いは破綻したときに出る
本記事は2026年10月13日時点で公開されている預金保険機構・金融庁の資料をもとにした情報提供であり、特定の金融商品や金融機関の勧誘・推奨ではありません。外貨預金・投資信託は為替や価格の変動により円換算の元本を割り込むことがあります。計算例は説明のための仮定です。実際の取扱いは各金融機関にご確認ください。

結論から言うと、外貨預金は預金保険の対象外です。円の普通預金や定期預金は、1つの金融機関ごとに預金者1人あたり元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されますが、外貨預金はこの枠に入りません。預金保険機構は、対象外の預金等は「破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われる」ため、一部カットされることがあると書いています。円預金と外貨預金の違いは、金利や為替だけでなく、金融機関が破綻したときの扱いにも出ます。
預金保険で守られるのは、どの預金ですか?
預金・定期積金・掛金・元本補てん契約のある金銭信託・保護預り専用の金融債です。預金保険機構の「保護される預金等の範囲」には、対象となる預金等がこのように列挙されています。そのうえで、守られる額は預金の種類で2つに分かれます。
| 区分 | 主な預金 | 保護される額 |
|---|---|---|
| 決済用預金 | 当座預金、無利息型普通預金など | 全額 |
| 一般預金等 | 有利息型普通預金、定期預金、通知預金、貯蓄預金、定期積金など | 合算して元本1,000万円までと破綻日までの利息等 |
| 対象外 | 外貨預金、譲渡性預金、募集債などの金融債など | 保護対象外(財産の状況に応じて支払い) |
決済用預金は、無利息・要求払い・決済サービスを提供できる、という3つの要件を満たす預金です。利息が付く普通預金は、普通預金という名前でも一般預金等の側に入ります。
1,000万円の枠は、1つの金融機関ごと、預金者1人ごとに数えます。同じ金融持株会社の子会社である複数の銀行に預けている場合も、銀行ごとに元本1,000万円までです。金融機関が合併した場合は、その後1年間に限って「1,000万円×合併に関わった金融機関の数」まで枠が広がる特例もあります。たとえば2行の合併なら、1年間は元本2,000万円までと破綻日までの利息等です。
確定拠出年金の積立金のうち、預金保険の対象となる預金で運用されている分も保護の対象です。この場合、預金者として登録されている信託銀行などではなく、積立てをしている個人の預金として扱われます。ただし、その個人が同じ金融機関に自分名義の預金を別に持っていれば、そちらが優先して枠に数えられる、と機構は注記しています。iDeCoや企業型DCで元本確保型の預金を選んでいる人は、同じ銀行の普通預金と枠を分け合うことになりえる、ということ。

外貨預金は「保護対象外」と明記されている
預金保険機構のページは、対象から除かれるものとして、外貨預金、譲渡性預金、オフショア預金、無記名預金などを1つずつ挙げています。外貨預金は、その列挙の先頭。
対象外だからといって、破綻したら全額が戻らないという意味ではありません。破綻した金融機関の財産の状況に応じて支払われ、一部がカットされることがある、というのが機構の書き方です。いくら戻るかが制度で決まっていない、というのが円の預金との違いです。
金融庁の預金保険制度のページも、一般預金等は1金融機関ごとに合算して元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護され、それを超える部分は残余財産の状況に応じて支払われるため一部支払われない可能性がある、と説明しています。外貨預金は、この「1,000万円まで」の手前にすら入っていない、ということです。

円預金と外貨預金を、破綻時の扱いで並べる
金利や為替で比べられることが多い2つですが、破綻したときの扱いで並べると次の表のとおり。
| 比べる点 | 円の定期預金・利息付き普通預金 | 外貨預金 |
|---|---|---|
| 預金保険 | 対象(一般預金等) | 対象外 |
| 守られる額 | 元本1,000万円までと破綻日までの利息等 | 制度上の保護額はない |
| 1,000万円を超える部分・対象外の部分 | 財産の状況に応じて支払い | 全体が財産の状況に応じて支払い |
| 平常時の値動き | 円の元本は変わらない | 為替で円換算の額が動く |
仮の数字で考えてみます。同じ銀行に、円の定期預金800万円と、円に換算して300万円分の米ドル預金を置いていたとします。円の800万円は1,000万円の枠に収まるので、元本と破綻日までの利息等が保護の対象です。米ドルの300万円分は、枠の外にあります。合計1,100万円のうち、制度で保護額が決まっているのは800万円の側だけ、ということです。
ポイント:外貨預金の保護を考えるときは、「1,000万円を超えたかどうか」ではなく「そもそも枠に入っていない」と理解するのが正確です。円の預金の合計が1,000万円以下でも、外貨預金の分は別に考える必要があります。
投資信託や外貨MMFは、どこで守られるのですか?
投資信託は預金ではないので、預金保険の対象の列挙には入っていません。投資信託の資産は、販売会社や運用会社の財産とは分けて信託銀行で管理される仕組みになっていて、破綻時の考え方そのものが預金とは別です。ただし、値動きによる元本割れは、どの仕組みでも守られません。

外貨を置く先として外貨預金と外貨MMF・FXを比べた整理は外貨MMFとFX、外貨を置くならどちらかにまとめています。ESGファンドを新NISAで持つ場合の考え方は新NISAでESGファンドに投資する方法で整理しました。どちらも、置き先によって守られ方が違うことを前提に読むと、比べる軸がそろいます。
外貨を置く前に確かめる順番
- 同じ金融機関にある円の一般預金等の合計を出す。元本1,000万円の枠をどれだけ使っているかを確かめます。
- 外貨預金は枠の外として、別に金額を書き出す。円の合計が1,000万円以下でも、外貨預金の分は保護の対象に入りません。
- 為替の値動きと、破綻時の扱いを分けて考える。平常時の円換算の増減と、破綻したときの支払いは別の話です。
- 外貨の置き先を複数比べる。外貨預金・外貨MMF・投資信託では、守られ方の仕組みが違います。

外貨預金を選ぶかどうかは、金利と為替だけで決める話ではありません。破綻したときに制度の外にある、という性質も含めて比べることで、円預金との違いがはっきりします。
よくある質問(FAQ)
- Q. 外貨預金は、破綻したら全額戻らないのですか?
- 全額戻らないと決まっているわけではありません。預金保険機構は、対象外の預金等は破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われ、一部カットされることがあると説明しています。戻る額が制度で決まっていない、という意味です。
- Q. 円の預金が1,000万円以下なら、外貨預金も守られますか?
- 守られません。外貨預金はそもそも預金保険の対象外なので、円の預金の合計額とは関係なく、保護の枠の外にあります。
- Q. 利息の付く普通預金は全額保護ですか?
- 全額保護されるのは、無利息・要求払い・決済サービスを提供できる、の3要件を満たす決済用預金です。利息の付く普通預金は一般預金等で、元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。
- Q. ESGファンドは預金保険で守られますか?
- 投資信託は預金ではないため、預金保険の対象ではありません。資産は信託銀行で分別管理されますが、値動きによる元本割れは守られません。ESGかどうかは運用方針の区分で、安全性の区分ではありません。
- 預金保険機構「(4)保護される預金等の範囲」:https://www.dic.go.jp/yokinsha/page_000109.html(2026年10月13日確認)
- 金融庁「預金保険制度」:https://www.fsa.go.jp/policy/payoff/index.html(2026年10月13日確認)
挿絵:いらすとや